『ハンティング・パーティ』を見ました。何の予備知識も入れずに見たけれど、予想外に面白かったです。
個性異なる3人のパーティが、いろいろな人と出会い、苦難を乗り越え、そして最終的にボスに合い、それを倒すというストーリー展開なので、王道的なロールプレイングゲームのように話が進んでいき、話がのめりこみやすかったです。
その上、CIAが関わる実話を基にした陰謀話ってだけでも興奮する上に、戦争の惨たらしさを伝えるシリアスな面もあり、男3人珍道中のようなドタバタコメディーのような面も併せ持っています。それに本当にこれが実話を基にした話なのか?と思わせるラストも良かったです。
ただ、残念なのが、作品の内容について何の情報もいれず、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争について何の知識もないまま、この作品を見てしまったので、この作品の本来の面白さの半分も理解できなかったとのではないかという気がします。ラドヴァン・カラジッチという名前もこの作品を見て、はじめて知りましたし・・・。
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都はサラエボで、イスラム系のボジュニャク人と、ローマカトリック系のクロアチア人と、東方正教会系のセルビア人の3つの民族が住んでいる。紛争前のボスニア・ヘルツェゴビナの支配階層はボジュニャク人が多く、セルビア人は労働者階層だった。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争は、主にボジュニャク人とセルビア人の対立で、民族浄化を行ったラドヴァン・カラジッチはセルビア人であるということくらいは、見る前に最低限知っておいたほうが良かったかもしれないです。
そう言えば、ラドヴァン・カラジッチと同系統の顔をしているボスニア・ヘルツェゴビナ出身のオシムもセルビア人なのかな?
この作品のストーリーは、仕事を干された戦場レポーターとその親友の有名テレビカメラマン、そして、コネで入社した新米テレビプロデューサーの3人が、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争当時、サラエボでイスラム系住民ボジュニャク人を民族浄化という名の下で大量虐殺を行い、紛争が終わった今でも捕まらずに、アメリカから500万ドルの懸賞金が懸けられているセルビア人戦争指導者・通称“フォックス”(ラドヴァン・カラジッチがモデル)と呼ばれている人物に会って独占インタビューを行うという名目で探しに行くが、本来の目的は「ある理由」を果たすために“フォックス”を生け捕るという内容です。
この作品の主旨は、3人のジャーナリストが現地に行って、たった3日で戦争犯罪人を捕まえることが出来たのに、なぜ、長い年月をかけてもCIAや国連は戦争犯罪人を捕まえることが出来ないんだということだと思います。そして、捕まえられない理由は何なのか。
作品内でも触れているが、CIAやNATO軍が本気になって戦争犯罪人を捕まえようと思ったら、簡単に捕まえる事が出来るらしい。けれど、捕獲する一歩手前のところで取り逃がしているらしい。と言うか、わざと取り逃がしてやっているというほうが正確みたいだ。
CIAやNATO軍の組織の中に、戦争犯罪人を本気で捕まえようと試みる者が出た場合、その人は国外退去の憂き目に合っているそうです。
なぜこういうことが起きるかと言うと、戦争犯罪人が捕まってしまえば、その場でCIAやNATO軍の仕事がなくなってしまい、お役御免になってしまうからでしょう。仕事がなくなったら、組織は規模が縮小されます。予算も削減されます。要のない組織からは大量の解雇者が出ます。それを避けるために、わざと戦争犯罪人を捕まえずに長引かせて、後一歩のところで取り逃がしているのではないか。
もしくは、戦争犯罪人が捕まってしまったら、困る大国があるから、その大国の意向で捕まえないのかもしれない。戦争犯罪人が捕まって、この世から戦争がなくなり平和になってしまったら、軍事兵器が売れなくなるからでしょう。大国の多くは軍需産業が国をも動かす巨大産業ですからね。
ビン・ラディンが未だに捕まっていないのも、そのためなのでしょうね。
後、この作品の世界をそのまま鵜呑みにしてしまうと、CIAって世界の紛争地帯でいろいろと暗躍しているみたいですね。もしかしたら、今のチベット紛争も、飛躍する中国経済の成長を阻止するためであったり、諸外国から中国へ投資するのを疎外させるためであったり、もしくは周辺アジア諸国に不安感を与えて軍事兵器を購入させるために、アメリカ・CIAが仕掛けている陰謀だったりするんでしょうかね。
世界情勢は何が正義で誰が最も悪いのか、判別つかないです。