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2014年5月13日 (火)

『ある精肉店のはなし』を見て来た。

 先日、シネマディクトへ行き、ドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』を見て来た。

『ある精肉店のはなし』

 この作品は、肉用牛の飼育から屠畜、そして、その肉の小売販売までを一貫して手掛けている大阪府貝塚市東町の北出精肉店を経営する北出家の日常を記録した内容である。

 大手企業が牛の飼育から肉の販売までを一貫して行っているというのであれば全然有り得る話だが、個人経営で、しかも、一家総出でこれら全てをやっていることに珍しさを感じて興味を惹かれてしまい、それが、今回、この作品を見てみようと思った理由である。

屠畜見学会の様子の映像 

 この作品は、北出精肉店が行う屠畜見学会の模様の映像から始まった。

 先ず、北出家で飼育された肉用牛を飼育場から屠畜場まで歩かせて移動させるのだが、その様子は牛を連れて散歩でもしているかのようであった。

 そして、牛が屠畜場に到着すると、棘がついたハンマーで牛の眉間の辺りを一発で撃ち抜いて即死させてしまう。少し暴れ気味に動いていた牛が一瞬にして崩れ落ちる様は衝撃的であった。

 その後、北出家の四人は、牛の皮を剥いだり、腸を掻き出したり、牛を解体して枝肉にしていく作業を進めていく。

 屠畜場で牛を枝肉にした後は、精肉店へ持ち帰り、一週間ほど熟成させてから、骨を取り除いたりして小売り販売しやすい形へ切り分けていった。

 その他にも、牛のアキレス腱を煮込んで煮こごりを作ったり、内臓を油で揚げて石鹸用の脂を取ったり、油を取った後の油かすを食品に利用したりと、肉を一切無駄にせずに加工していく作業が行われていた。

 四足の動物の命を頂く作業が真摯に行われており、生きている牛が我々の食卓に上るまでの工程がよく分かる映像であった。

 牛が仕留められる瞬間のシーンは幾分ショッキングであったが、牛が解体されていく作業は意外に普通に見られたし、作業の後半の方に至っては、美味しそうにすら思えてしまった。

 おそらく、映像から臭いが伝わってこないから、このようなお気楽な感想を抱いたのかもしれない。もし、屠畜場の臭いを体感してしまったら、果たして、同じような感想を持てるかどうか自信が持てない。

屠畜場の閉鎖

 そんな牛の飼育から精肉の販売まで一貫して行って来た北出精肉店も合理化の流れには逆らえなかった。

 屠畜業者は合併を繰り返していくうちに大手業者が生まれ、牛の解体作業は工場のようなところで流れ作業のように行われるようになった。すると、個人で屠畜業を行っているところは少なくなり、小さな屠畜場を利用する業者はなくなっていった。

 102年の歴史を持つ貝塚市立の屠畜場の利用者は、北出精肉店だけになってしまい、そのため、2012年に貝塚市立屠畜場は閉鎖されることになった。

 これを機に北出家では精肉店だけを存続させ、牛の飼育と屠畜業を辞めることにした。

 そして、今まで牛の飼育場として使っていた場所を利用して、だんじり祭用の太鼓作りを始めることにした。

精肉店と兼業で太鼓屋を始める

 これまで趣味で太鼓作りをしていたらしく、牛の飼育と屠畜を辞めるのをきっかけに、本格的に太鼓作りと太鼓の皮の張替え作業を精肉店と兼業で行うことになった。

 長年、屠畜業をやっていただけに、乾燥している牛革を購入して来て太鼓に貼り付けるのではなく、牛の生皮を米のとぎ汁に一ヶ月くらい漬けて発酵させ、そこから毛を毟り取る作業から始めていた。

 そして、毛を綺麗に毟り取った生皮を乾燥させた後、太鼓に貼り付けるのに適した部分を切り抜き、それを柔らかく戻してから太鼓に貼り付ける。その後、時間をかけて皮を引っ張っていき、再び、皮を乾燥させると太鼓の皮の張替え作業が完了する。

 牛の屠畜作業だけではなく、生皮から始める太鼓の張替え作業の工程まで見ることが出来て、興味深かった。

映画を見終わっての感想

 屠畜と太鼓屋に関する話が作品の主だった内容だったため、部落解放同盟や水平社宣言に関する話題も当然出てきた。

 北出家の祖父の代は差別がかなり厳しかったそうだが、部落解放運動を進めてきたおかげで部落差別は少なくなり、今では北出家の次男が被差別部落とは全く関係ない女性と結婚するまでになったそうだ。

 部落の専業ともいうべき屠畜作業を行う小規模な屠畜場の姿は消えていき、部落差別は段々と薄れていっているように思われる。

 しかし、それと同時に、工場労働のように分業化された屠畜技術ではなく、牛の殺傷から血抜き、皮剥ぎ、枝肉の製造、内臓の加工に至るまでを一貫して手作業で行う屠畜技術の継承までもが、今後、途絶えてしまうかもしれないと思うと、それはそれでもったいないような気がしてならないという感想を抱いて映画館を後にした。

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