序
昨日、「吉村作治の新発見!エジプト展」を見るため、青森県立美術館へ出かけた。その日はイベント最終日の前日であり、見逃すことなく訪れることが出来た。何とかギリギリ間に合う。
もちろん、自分は一人だけで見に行き、青森県立美術館へは自転車で行った。
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道に迷う
青森県立美術館へは、今回、初めて訪れた。
県立美術館周辺には、10年以上も立ち寄ったことすらない。そのため、なにぶん、不慣れな土地だったため、たいそう道に迷った。
自分は古川から浪館通りへ入り、そこから美術館へと向かったが、浪館通りを経由して美術館へ行く場合、運動公園の中を通って、美術館へ向かうのが一番の近道らしい。
しかし、自分はその経路を知らなかったため、道に迷ってしまった。
人に道を尋ねようにも、人がいないし、道案内板もない。その上、携帯電話も持っていない。そのため、運動公園を通り過ぎて、慈恵会病院の前まで行き、そこから美術館へ向かう羽目になってしまった。
慈恵会病院の前の道は、急勾配の坂道である上に、道のりがとんでもなく長かった。よくこんな地形のところに、大規模な病院を建設した物だと思うくらい険しい山坂である。
日頃、全く運動していない自分にとっては、浪館通りから運動公園へ向かうちょっとした坂道でさえも、一苦労して上ったのに、慈恵会病院の坂は、それとは比べ物にならないくらい急角度の坂道であった。最後まで自転車で上りきったら、心臓が破裂するのではないかと思った。そのため、途中で自転車から降りて、自転車を押して坂道を上りきった。
険しい山の中の坂道を経由してしまったばかりに、自宅から美術館までの道のりは、自転車で片道45分もかかってしまった。美術館に到着する前に、すでに疲労困憊の状態であった。
美術館から帰る際は、再び、慈恵会病院前の坂道を通るなんてことはしたくなかったので、往路と同じ道は避けることにした。そして、復路に選んだコースは、美術館から環状バイパスへ出て、バイパスを通って、そこから浪館通りへ通じる道に入るという道程である。
いずれにしろ、青森市内の土地に詳しい人であれば、「アホじゃないか」と思うくらい、行きも帰りも相当遠回りをしてしまった。それも車ではなく、自転車でである。
11月下旬の夕暮れの青森の山中の空気は、顔も手も悴むほどの厳しい冷たさであった。
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メインはミイラの・・・
その日は日曜日ということもあり、展示会場内は結構な賑わいであった。長い行列が出来ていて、遅々としてその行列は前へと進まなかった。目測ではあるが、自分が滞在していた時間内だけでも、1,000人以上は居たのではないかと思う。
「エジプト展」の展示物を隅から隅まで入念に見て周ったため、展示会場内には、およそ2時間ぐらい滞在した。
「エジプト展」ということなので、自分はピラミッドに関する展示物を期待して見に行ったのだが、展示していた物はミイラに関係する物ばかりであった。
それも、展示スペースの目立つ位置に占めていたのは、「ミイラの作り方」に関する物であった。
ちなみに、今回、「エジプト展」で見知ったミイラの作り方は、下記の通りである。
- 鼻の穴の中から鉄の棒を突っ込んで、脳みそを掻き出す。
- 脳みそを取り出したら、頭の中に葉っぱや布を詰め込む。
- 左の脇腹に切れ込みを入れて、臓器を取り出す。
- 取り出した内臓は、部位別に専用の壷に入れて保管する。
- ただし、心臓だけは、取り出さずに体内の中にとどめておく。
- 内臓を取り出した肉体を塩漬けして、体内の水分と脂肪が75%減るくらいまで長期間寝かせる。
- 水分が抜けた肉体を植物の樹液でコーティングしてから、布でぐるぐる巻きにする。
- あの世でも口が利けるようにと、口のところに切れ込みを入れる。
- ミイラマスクを被せて完成。
何とも、グロテスクな作業である。
そのミイラを棺に入れた後、あの世へ行っても食べる事や身の回りのことに困らないようにと、棺の中に食べ物や日用品を一緒に入れて、埋葬するそうである。
ミイラ作りは、しめ鯖作りに似ていると思いながら、展示物を見学した。
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ある夫婦の会話
その他にも、吉村作治氏が発掘した物なども展示されていた。
その中には、夫婦で埋葬された墓から発掘された棺も展示されていた。それは、発掘後に塗り直したのかと思われるくらい色鮮やかに装飾された棺であった。とても何千年も前に作られたものとは思えなかった。
その展示物を見ていると、自分の家の近所じゃ見かけないような、博識がありそうな雰囲気を漂わせている中高年夫婦が近くにいて、「このお墓のように、僕が死んだら、後を追うように君も来てくれるか?」という会話を繰り広げているのを立ち聞きしてしまった。
微笑ましい会話であると思いながら聞いていた。
しかし、自分の祖父が死んでから、もうすでに20年以上も経つが、祖母は未だにぴんぴんして生きてやがる。
それを考えると、あの中高年夫婦の旦那には悪いが、おそらく、旦那が死んだところで、奥さんはすぐに後を追うことなんてないだろう。きっと、しぶとく行き続けるに違いない。そう思いつつ、その場を離れた。
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グッズに魅力なし
展示会場内に2時間も滞在し、隅から隅まで十分展示物を見学したので、おいとますることにした。
展示会場を出てから、ただで貰えて記念になりそうなパンフレットかチラシでもないかと思って、あちこち物色して歩いたが、そんな物は置いていなかった。
展示内容を解説したパンフレットのような出版物を、500円~1000円くらいの価格であれば、購入しようかとも思っていたが、2,500円もする図録しか売ってなかったので購入するのは諦めた。
その他のお土産品も、陳腐で高額な物ばかりなので、結局、何も買わずに展示会場を後にした。
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「あおもり犬」を見て思う
でも、せっかく、はじめて県立美術館を訪れたのだから、その他にも見られるものがあったら、見ていこうと思い、館内をぶらぶら歩いていると、「あおもり犬」なら、ただで見られることを知る。そこで、「あおもり犬」を見てみることにした。
写真や映像では、何度か「あおもり犬」を見たことがあった。しかし、実物は予想していた物を、はるかに上回る巨大な建造物であった。初見だと、たじろぐくらいの大きさである。おそらく、3階建ての建物と同じぐらいの高さではないかと思う。
それにしても、この「あおもり犬」というネーミングに疑問を感じる。
犬のオブジェに名前をつけるなら、「ポチ」とか「シロ」とか、もっと犬らしい名前をつけてやるべきではないかと思う。
「あおもり犬」だけでは、物足りなくて、寂しい気がする。
秋田犬の「ハチ」のように、「あおもり犬」の「何某」というような名前が必要だと思う。
そこで、勝手ながら、犬のネーミングを考えた。
例えば、県立美術館の番地が「185」番なので、「ヒヤゴ」というのはどうだろう。
「ヒヤゴ」なら、「here we go」にも聞こえるので、落ち込んでいるようにも、さらには、立ち上がろうとしているようにも見える犬のオブジェにピッタリなネーミングではないかと思う。
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結
今回は、展示物を見た感動よりも、自分のミスで遠回りして美術館に出向いてしまったために、ただただ、しんどかったという思いしか残らぬ催事見学であった。